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鍼灸(東洋医学)
疼痛(とうつう)に関して【東洋医学臨床論】

疼痛に関して

(Ⅰ. 程度・Ⅱ. 性質・Ⅲ. 特徴・Ⅳ.時間)

 

Ⅰ. 疼痛の程度

痛みが強い=実証(じつしょう)

痛みが弱い=虚証(きょしょう)

 

Ⅱ. 疼痛の性質

疼痛部位を按圧する→疼痛増強=拒按(きょあん)=実証(じつしょう)

疼痛部位を按圧する→疼痛軽減=喜按(きあん)=虚証(じつしょう)

 

喜温:温めると疼痛は軽減するが,冷やすと疼痛が増強するもの。(  寒証  )、(  虚証  )の疼痛に多く見られる。

喜冷:冷やすと疼痛は軽減するが,温めると疼痛が増強するもの。(  熱証  )に多く見られる。

 

脹痛(ちょうつう)

脹った感じ、膨満感を伴う疼痛。これは(  気滞  )による疼痛の特徴。

疼痛部位が一定せず、症状が軽くなったり重くなったりする者は、(  気滞証  )に属する。

ただし同じ脹痛でも頭部の脹痛,眼球の脹痛は、(  肝陽上亢  )or(  肝火上炎証  )

脇肋部の脹痛は、(  肝鬱気滞   )が考えされる。

 

刺痛(しつう)

錐(きり)で刺したような痛み。(  血瘀証  )(  瘀血証  )による痛み。

 

酸痛(さんつう)

痛む部位にだるさを伴うもの。虚性の病理変化に多く見られる。四肢、体幹部に現れやすい。

(  気血不足  )(  湿証  )によって起こる。ただし腰膝部の酸痛は、(  腎虚証  )のものが多い。

 

重痛(じゅうつう)

疼痛部位が重く感じられるもの。重い感覚を伴う痛み。(  湿邪の重濁性  )によって気血の運行が滞ることが多い。

頭部、四肢、腰部および全身に現れやすい。

 

冷痛(れいつう)

冷えを伴う疼痛で温めると軽減する。冷やすと増悪する。

(  寒邪  )or(  陽気不足  )により起こる。

 

灼痛(しゃくつう)

灼熱感を伴う疼痛で,冷やすと軽減する。温めると増悪する。

(  火邪  )or(  陰虚陽亢  )により起こるものが多い。

 

絞痛(こうつう)

しめつけられるような痛み、疝痛のことである。

内臓疾患(結石・胆石)に多く見られる。(  寒邪  )(  瘀血  )(  痰濁  )により起こるものが多い。

 

痞痛(ひつう)

つかえorつまって起こるような疼痛。(  気機  )の昇降失調によるものが多い。

心下部、胃脘部に現れやすい。

 

隠痛(いんつう)

我慢できる程度のはっきりしない疼痛であるが、持続的にジワジワ、シクシク痛むもの。虚証

(  気血不足  )や(  陰寒  )(  内生  )(  温煦機能低下  )により起こることが多い。

 

掣痛(せいつう)

引っ張られるような疼痛。つったような感じの痛み。

(  経脈失養 肝血不足 )or(  阻滞  )により起こるものが多い。

肝は筋を主っており,この掣痛は多くの場合は(  肝病  )と関係がある。

 

空痛(くうつう)

疼痛部位に空虚感のあるもの。押さえると軽減する。

(  腎精不足  )や(  気血不足  )により起こるものが多い。

 

Ⅲ. 疼痛の特徴

固定痛:疼痛部位が一定しているもの。四肢関節部のこのような固定痛は(  寒湿痺証  )(  瘀血  )によく見られる。

遊走痛:痛む部位が定まらず移動するもので、(  風邪  )(  気滞  )によく見られる。

夜間痛:夜になると痛みが誘発、増悪するもので、(  寒邪  )(  瘀血  )によく見られる。

 

Ⅳ.疼痛の時間

卒痛(そつつう):突然起こる激しい発作性の疼痛。これは(  寒証性  )の疼痛によく見られる。

緩痛(かんつう):しだいに増悪するものor時々痛むものor終始シクシク痛むというものである。

(  久病  )、(  虚証  )に多く見られ、(  気血不足  )や(  温煦機能失調  )となるとこのような疼痛が起こりやすい。

時痛(じつう):断続的な痛みのことである。気滞性の疼痛や虚性の疼痛に多く見られる。

持続痛(じぞくつう):瘀血によるものが多い。